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2012年10月 7日 (日)

マイロード 05

こんばんわ。
物凄い久々な更新です。
しかも長編…( ̄⊥ ̄;)


私生活が忙しすぎて厳しいです。
でもギアス映画化とかで身悶えてギアス熱が上昇しましたwww


お久しぶりな方も、初めましての方もお楽しみ頂ければ幸いです。


(柊)


━━━━━━━━━━━━━━━━━

幼き日から見続けてきた私の魔王は、私の与えた王の力で孤独になるはずだった。

今までどんな人間であろうと、王の力は人を孤独にさせた。

そんな魔王を、少しだけ助けてやろう。


そう思っていたのだが…。

<マイロード:05>


世界の3分の1を掌握する神聖ブリタニア帝国の傘下に下り、名前を無くした日本はエリア11と名付けられた。

その記憶は未だ薄まる事はなく、人々から人権を奪った過去はまだ新しい。

しかし1ヶ月ほど前から世界は、それまでとは異なる目線でエリア11に注目していた。

廃国となったはずの日本が、地域限定ではあるが復刻されたのだ。

それだけでなく、テロリスト集団だった黒の騎士団がブリタニアに容認され、今や地域限定で復刻した日本を束ねている。

黒の騎士団を統括するゼロは、希代の策略家として注目を集め、今後の動きも目が離せない存在だ。

「…との事です」

特区日本を取り締まる執務室にて、枢木スザクは各国の評価報告を述べた。

余計な物が一切なく、広く感じられる執務室で、唯一豪奢なデスクに両肘を付いて聞いていた部屋の主は、満足気に椅子に凭れた。

椅子は主を優しく包み、音もなくリクライニングするあたり、これもまた、質の良い物であることが伺える。


「そんな所だろう。報告ご苦労だった」

主からの労いを受け、スザクは一礼をしてドアに向かった。

しかし、ドアから出るのではなく、脇に控えるだけ。

「…下がっていい」

「そんな訳にはいきません。…貴殿の護衛も自分の任務ですから」


これで何度目だ。


部屋の主であるゼロ、いやルルーシュは、仮面の中で静かに嘆息した。

時は少し遡る。


初めての決議で、ユーフェミアはスザクをゼロの専任護衛兼補佐に、と強く主張した。

スザクだからと断れば、多数の人間がゼロの正体を疑ってしまう。

また、ユーフェミアに負い目がある以上、ルルーシュは強く反対出来なかった。

(だがそれも、単なる言い訳に過ぎない…)


喉から手が出るほど求めていた人物が手に入るのだ。
拒否し続けることなど到底出来なかった。


是と応えたゼロに、ユーフェミアは安堵の笑みを溢し、議会に参加していた桐原老は目線を下げて僅かに笑んだ。
カグヤはどこか腑に落ちない顔をしていたが、気にする程でもないだろう。


「護衛なら零番隊隊長が行うので問題ない。君は下がっていい」

「………。分かりました。零番隊隊長殿がいらっしゃいましたら、自分は下がらせて頂きます」

再度通告するとスザクはどこか迷いのある顔をしたが、数秒後には毅然とした態度で応えた。

清々しいまでの真面目ぶりに苦笑を噛み殺し、カレンが来るまで、ゼロは黙々と執務を続けた。

「もう良いか?私は腹が減った」


ノックもなしに現れたC.C.は空腹を訴えた。

「ゼロは仕事をなさってるのよ、お腹が減ったなら食堂に行けばいいじゃない」

C.C.の慇懃無礼さに慣れてきたカレンではあるが、やはりまだ抵抗があるようで、返す言葉にも刺がある。

そんな物は歯牙にもかけず、C.C.はゼロの机に腰かけた。

「お前には言ってない」

カレンを一瞥した後、身を乗り出し、C.C.はゼロの仮面横側、つまり耳元に唇を寄せた。

ルルーシュはC.C.越しに両手を頬に添えて赤くなったり、青くなったりしているカレンを見て溜め息をついて小さくぼやいた。

「やりすぎだ…」

「そんなことはないさ。まぁ見ていろ」

嫌な予感しかしなかったが、対スザク対応でルルーシュも疲れていたため、C.C.に任せる事にした。


「というわけでお前は下がっていいぞ」

姿勢は変わらないまま、視線だけカレンに向けたC.C.は不敵に笑んだ。

「そんな訳にはいかないわよ!私は零番隊隊長よ?ゼロの護衛は私の役目で…」

「"護衛"はそうだな」

食って掛かるカレンを阻止してC.C.はゼロの肩にもたれかかった。
もちろん机の上に乗ったままで、だ。

「ここから先は護衛の出番ではないだろう?」

C.C.は愉しげに笑う一方、カレンは赤面して狼狽えた。

「…下がっていいぞ、カレン」

ゼロから一言声をかけられると、カレンは茹でタコ状態のまま逃げるようにその場を後にした。


「し、し、失礼しましたっ」


勢いよく閉まったドアの向こう側から、走り去る足音がなくなってから、C.C.はようやく机から降りた。

振り返れば仮面を外したルルーシュが渋面を作っていたが、魔女は大して気にしない。

「下品なやつだ…」

そう言うとルルーシュは続き間になっている仮眠室へと向かっていく。

「何だ?本当に添い寝でもして欲しいのか?」


赤い左目でC.C.を一瞥すると、馬鹿がと呆れた声を出しながら部屋へと消えて行った。

暴走したギアス。
帰れない居場所。
大切なモノを奪い取ってしまった姫。
本音を出せない仲間。
監視のような友人。

あの王にはそれ以外にも抱える闇がある。

だが…


未だ孤独ではない。
魔女はソファに寝そべると、天井に向かうように笑いかけた。

「あいつは本当に面白いよ、マリアンヌ」


(NEXT)

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