2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« マイロード03 | トップページ | ブログ:近況報告 »

2011年11月11日 (金)

譲れません

もしルルーシュがジノとも幼馴染みだったら…
設定でジノとアーニャが学園入りした辺りのパロディーです(*´ε`*)

見切り発車したせいで、すっごく落とし所に悩んでしまい微妙な終わり方です。
続く…のか!?


――――――――――――――――――――――――――――


「ルルーシュ〜。会長が至急、応接室に来いってさ」

教室に現れたリヴァルからそう言伝てを聞いたのはつい先程。
また何か悪巧みでも考えたのか、と思慮したが、呼び出し先が応接室ともなればその線は薄い。

中華連邦とエリア11の秒単位での往復は、思いの外体力と精神力を疲弊させている。
記憶の復活を疑っているスザクも誤魔化さなくてはならない。
そんな中さらに問題事が増えるのは避けたいところだった。

応接室の前に着き、軽くため息をついた。
ドアをノックすればミレイの返事がくる。

「会長、ルルーシュです。入りますよ」

「あぁ、ルルーシュ。来てくれたのね」

まず目に入ったのは珍しく困った表情をしたミレイ。
そして…


「なっ!?」

多人数掛けのソファーに寛いでいるのは、人懐こそうな雰囲気で青空の様な瞳を持ち、長い金髪を後ろで3本の三つ網にした男。

その隣にはふわふわの柔らかそうな桃色の髪を1つに結い上げ、赤い瞳を携帯電話のディスプレイに向けている少女。

ナイトオブスリーとナイトオブシックス。

それだけの認識なら、もう少し冷静になれたかもしれない。

記憶の片隅にあるのは、アリエスの離宮で数日間だけ共に過ごした、幼く人懐こい笑顔をした貴族の少年。

『オレをいつかルルーシュ様の騎士にして下さい!』

“いつか”を約束した時の面影を色濃く残したまま大きくなったヴァインベルグ家の四男がいるとなれば、さすがのルルーシュも同様を隠しきれない。

(何故ジノまでがここに…!?)


ジノがどういうつもりでアッシュフォード学園にやってきたか分からない以上、こちらから動けば記憶の復活を裏付けてしまうため手が打てない。

しかも幼少期に数日間を共に過ごしただけ。

ジノは約束だけでなく、ルルーシュに会った事すら覚えていない可能性もある。

思考を総動員させている間にジノはルルーシュの目前に来ていた。

「私はジノ・ヴァインベルグだ。よろしく…先輩?」

すっと手を差し出され、ルルーシュは思考を停止する事なくジノの手を取る。

「…副会長のルルーシュ・ランペルージです。よろしくお願いします、ヴァインベルグ卿」

何とか作り笑いをしたルルーシュだったが、ジノの次の動作でひきつってしまう。

ジノはルルーシュの手を握ったまま片膝を付き、ルルーシュの手の甲へ口付けた。

“イエス・ユア・ハイネス”

声にならないくらいの小さなジノの呟きはミレイやアーニャには聞こえていなかったようで、ミレイは片手を口元に持っていき、「あら」と目を白黒させ、アーニャは携帯のカメラをこちらに向けて「記録」と呟いた。

面には出さないように、静かにルルーシュは感動を覚えた。

(覚えて…いたのか…)

しかしいつまでもこの体制のままでは不自然過ぎる。
「ちょっ…止めて下さい!ヴァインベルグ卿!!」

ルルーシュはジノから逃れようとした時だった。


バキッ!


ルルーシュの背後にあるドアから破壊音が発生した。

恐る恐る振り返れば、ドアから引き剥がされたドアノブを持ちスザクが無表情で立っていた。

目を細めルルーシュの手に口付けたままのジノを見据える。


「何…やってるの、ジノ?」

「よぉ、スザク!」

ジノは笑顔で立ち上がると、ルルーシュの手を掴んだまま片方の手をスザクに向かってひらひらと振った。

スザクは無表情のまま何も言わず足早にルルーシュ達の前に歩いていくと、ジノからルルーシュの手を奪い取った。

「“僕の”友人に何してるのか聞いたんだけど?」

一瞬呆気にとられたジノであったが、思うところがあったのか、人懐こいというより挑発するような笑みを浮かべた。

「ルルーシュ先輩があんまりにも綺麗だったから、つい…な。別にスザクが怒る事じゃないだろ?…“友人”なんだから」

(な…何だっていうんだ)

スザクの手から逃れられず、火花を散らす2人から離れたいのに離れられないルルーシュは他者に助けを求めるしかない。

しかしアーニャは相変わらず「記録」と呟いて携帯のカメラをこちらに向けたまま動こうとしない。

ミレイに至っては片手で顔を覆い天を仰いでいる。
細かく震えてる様子から、笑いを堪えるのに必死としか思えない。

「いい加減先輩の手を離したらどうだ?いくら“友人”だっていつまでも握ってるのはおかしいと私は思うんだが」

「僕達はとっっても仲が良いからいいんだ。…ね、ルルーシュ?」


矛先がルルーシュに向くも、言い争っている原因が理解出来ていないルルーシュは返しようもなく冷や汗をかく。

2人が自分に対して好意を抱き、嫉妬心から険悪な空気になっているなんて考えには、地球が反転しようとも至らないだろう。

終いには空いているルルーシュの手をジノまで握ってくるので完全に捕われてしまった。


(記憶が戻ったとばれてしまったのか!?いや、しかし…)

(…やっと純粋だった頃のルルーシュに戻せたのに、邪魔されてたまるか!)

(もう逢えないと思っていた真の主君に巡り会えたんだ。スザクには悪いが私はスザクの友人の座よりも信念を貫く方を選ばせてもらおう)

端から見たら大岡越前のエピソードに見える様は、その後も学園の至る所で目撃されたという。


(END)

« マイロード03 | トップページ | ブログ:近況報告 »

短編:2期」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。