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2011年9月15日 (木)

rainy day

浜●あゆみさんのrainydayはスザルルなんだと
激しく思った!!

車内で聞く度に悶えてにやけてしまうアフォな柊なんです…(末期)

(柊)

―――――――――――――――――――――――――――

覚えようとしなくても忘れられない記憶と気持ちが確かにあった…。


あれはある寒い日で、強い雨の中、僕はただ君だけを待ち続けていた。
そこはゲットーのショッピングモール入り口。
朝から空はどんよりとしていて、昼過ぎから雨が降り続けていた。

君が産まれた大切な日だから、何か祝ってあげたくて、とりあえず待ち合わせの約束をしたのは昨日の放課後。


『…いいぞ。分かった15時に必ず行く』


ちょっと照れ臭そうに、ぶっきらぼうに答えた君の耳が、夕焼け色に染まっていたのは記憶に新しい。
モールの時計を見れば、現在の時刻は17時になろうかとしている。
携帯電話を持つ権利がない自分は、ただ待ち人に想いを馳せるのみだ。
雨足は弱まる気配もなく、僕の側を通り過ぎる人々は、傘を差しながら幸せそうに笑っている。
だけど、大切な君を待つ僕は、誰よりも穏やかに微笑んでいた。
傘もなく立ち尽くす僕は、濡れることも厭わず、寒さも気にならず、ただただ君だけを待つ事に幸せを噛み締めていた。

例えこのまま世界の終わりが来ても、もし今が僕の終わりだったとしても、構わないと思えるほど何も怖くなかった。
それ程までに君との再会は幸運な事で、罪を受けなくてはならないと思っていた毎日に色彩が戻っていくのを感じたから。

だから待つよ。
いつまでも君を。

ふいに遠くから駈けてくる人影が視界に入った。
その人も僕と同じく傘を持っていない。
近付く人影をはっきり捕らえることが出来た時、彼だと認識した。
宵闇よりも暗く、だけど艶やかな光沢を帯びた髪は、雨のせいで髪が束になってしまっている。
雨を避けるために翳す手は、寒さのために凍えそうで、手だけでなく色白な肌は青ざめている。

「スザク!!」

一直線にこちらへ駆けてきたルルーシュは僕の目の前までやってくると、両膝に手をついて肩で息をしている。

体力ないのに…。

必死に走り続ける姿が容易に想像出来る。

「すまない…。な、ナナリーが…熱を…」

荒い呼吸の合間に言葉を紡ぐ姿は辛そうで、思わず両腕を掴んで支えた。

「いいんだ、ルルーシュ」

疑問を浮かべたルルーシュは前屈みのまま顔をあげた。
やっと見せてくれた彼の顔はいつも通り整っていて、走ってきたためか頬には朱がさし、まるでチークを施した様にも伺える。

綺麗だな…。

心の底からそう思った。

「うん、君は来てくれた。だからいいんだ」

君は大きく瞳を開いた後、軽くため息をついて呆れている風だけど、本心なんだから仕方ない。

「…まったく、お前はお人好し過ぎる」

言い方はぶっきらぼうなのに、笑顔はとても優しい。
それは彼が気を許した相手にしか見せない笑顔。
こちらまで笑顔になるような温かい表情だった。

優しさに甘えてしまおうかと思ったけど、今日は僕が君を祝う日だ。

「とりあえず着替えなきゃ。2人ともこのままじゃ風邪ひいちゃうし」

「そうだな。とりあえず家でいいか?」

「うん、行こう」

手を差し出せば、一瞬呆けた後に、軽く笑って握り返してくれる君。
出来るだけ優しく手を引き走り出すと、雨のまだ降り続ける雲の隙間から僕たちを一瞬の光が照らした。
その光は優しく温かく、まるで僕たちの行く道を照らすかの様。



例え、もし行く道が違うのだとしても…。


END

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